たつきのインタビュー❻黒子沙菜恵

 改めて身体性をどう捉えていくのかといふ観点が個々人にとって重要だ。黒子は、高齢者ヘルパー介助を基幹としながら身体障害者、知的障害者などと共同でボディーワークを行っている。彼らと関与することによって日常の身体性を強く意識するようになった。黒子は舞台芸術に度々参与する側面も持っているが、舞台は必然的に役割的身体が要求される。また日常的側面とは必然的に切断する要素があるとも思われる。よってどこを基軸に身体性を考えていくのか?日常を重視した身体か?舞台を追求した身体か?双方か?といふ袋小路に入っていくことは必然であろふ。体育、芸術、医療部門が身体性を管轄するのは致し方がないかもしれない。然しその部門に安住してはならない。それ以前に、各々の異なった身体感を意識的にも暗黙裡にも共有してゆく。先ずはその姿勢ありきであり、その姿勢に終わりはないのだ。